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後援のことば

銭谷 眞美 氏

国際理解教育の推進について

銭谷 眞美 氏
文部科学省初等中等局長

国際化が進展する中にあって、異文化に対する理解を深め、異なる文化を持つ人々と共に協調して生きていく態度や広い視野を持った児童生徒を育てていくことは、極めて重要なことです。

すでに、これまでにも各学校において、各教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間などの指導において、あるいは学校独自の行事などを通して、様々な形で取り組まれてきましたが、国際理解教育の推進についての明確な理念をもって、この面での教育を一層、充実させていく必要があります。

特に重要と考えることは、多様な異文化の生活・習慣・価値観などについて、「どちらが正しく、どちらが誤っている」ということではなく、「違い」を「違い」として認識していく態度や相互に共通している点を見つけていく態度、相互の歴史的伝統・多元的な価値観を尊重し合う態度などを育成していくことです。

一つの見方や考え方にとらわれて、異なる文化・生活・習慣などを断定的に評価するようなことは、子供たちをいたずらに偏見や誤った理解に陥らせるもとになりかねず、決してあってはなりません。

同時に、国際理解教育を進めていくにあたっては、自分自身が何者であるのかを知ることにも大きな意味があります。
つまり、児童生徒一人一人の個の確立のうえに、我が国の歴史や伝統文化などについての理解を進めることも重要です。
先人たちによってどのような歴史が展開され、どのようにして現代の社会が築かれてきたか、どのような芸術や文学などが創造され、我々の社会に継承され、我々の生活を豊かなものにしてくれているかなどについて、広く世界の歴史を背景に、子供たちにしっかりと理解させることは、我々大人の責務なのです。

また、国際理解教育がこのような狙いをもったものであることを考えると、この教育を実りのあるものにするためには、学習内容を単なる知識理解にとどめることなく、体験的な学習や課題解決的な学習などをふんだんに取り入れることによって、実践的な態度や資質、能力を育成していく必要があります。
そのためには、これらの教育にふさわしい人材を学校外から積極的に招くことも有効です。
学校や地域の実態に応じ、地域で行われる様々な国際交流活動に参加するとともに、日本の大学などに在学する外国人留学生、インターナショナル・スクールの子供たちなどとの交流を進めていくことや、インターネットなどの情報通信ネットワークを活用して、外国の学校などとの国際交流を進めていくことは、たいへん意義深いことと考えます。

公益財団法人 国際理解支援協会は、『留学生が先生!』教育プログラムとして、「異文化理解」、「英語活動」、「日本語適応指導」の3つの分野で、学校における国際理解教育を支援するプログラムを提供しています。
各国から来日し日本の大学で学ぶ優秀な留学生の皆さんと、日本の児童生徒が実際に教室でふれあい、多様な外国語や文化に関わる交流活動を体験することは、児童生徒の異文化への理解を進めることにより、将来、多文化共生社会で活躍するときに大きな助けになるものと思います。

(2007年機関誌寄稿)

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